サンシャイン

〜2001夏のおわりに〜

Poem by ほたる


爪あとも残せず去って行った台風の置いて行った空を

サンシャイン60のビルが支えている

ちょっとのずれは あるものの

朝日は いつものとおりサンシャイン60が連れてくる


いつかぜったい

森にすんで犬を飼いたい

まだ夜が明ける前に

一緒に家を抜け出し

台風のあとの森を一緒に散歩する

300年も生きた樹が無残にも倒れてできた

切り株の上から

生まれたばかりの朝日を見る

森の朝は目覚めよとばかりに輝いている


その刹那おもいうかべるのはサンシャイン60の朝日

30年前歴史を壊す鉄槌の音が鳴り響き

池袋の町にサンシャイン60が建った

おんなじ朝日のはずなのに

微妙にグレーがかった紫


犬にはどの朝日も

モノクロコピー

なんていい子とだきしめたいから

ぜったい

犬はほしい

その犬と一緒にサンシャイン60が連れてくる

朝日を見よう





comment



 サンシャインと聞いてまっさきに連想するものは、何ですか?
サンシャイン60の水族館でしょうか?空を射ぬくようにそびえるサンシャイン60(池袋) そのふもと一帯は戦後しばらくのあいだ「巣鴨プリズン」と呼ばれる、戦犯を収容する施設でした。戦後56年経た池袋の町は、そんな過去を捨て去る様に明るく賑わっています。そのような光景を眼にすると戦争体験は、どう伝えられてきたのか、なにが伝えられないでいるのかそして今なお何が書けるのかという問いをつきつけられるようです。

2001/08/28


Poem & comment by  ほたる



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